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アボリジニの課題解決と幸せって・・・


さて、基調講演が終わったら、フィールドトリップ。学生達と混じって、アボリジニの村に行った。マレーシアにアボリジニがいたんだと驚きつつ、バスに乗って現地へ。

でもやっぱりちょっと予想してたんだけど、ガチのアボリジニではなく、まあまあアボリジニ。ハダカで暮らしていたりするわけではなく、服も来てるし、水道も来てるらしい。

でも、結構自然に近い感じで生活していることも間違いなく、家の周りにはいっぱい、草や木で作った自然の小屋がいっぱいあった。

「村には521人の人が住んでます。」

村長さんはもちろん、しっかりと村の人口を覚えている。この村に、学生を連れてきて、村の課題を見つけ、数日後にこうしたらいいんじゃないのと提案する。

しかし村に来て思ったんだけど、この村の課題って何だろう。僕がもしその課題に応えるとしたら、何を課題として抽出するだろう?

都会の課題と田舎の課題は全く違う。特に自然とともに生きている人にとって、課題とは自然と闘い、共存することである。

雨が降ればびしょ濡れになり、日照りが続けば、作物がとれなくなる。

これは課題である。

しかし、それが生活そのものなのだ。

文明の機器を使えば、彼らの生活から「課題」を取り除くこともできるかもしれない。

ただ、果たしてそれにどれほどの意義のあるのか?果たしてそれを望んでくれるのか

彼らから見ると、

「あんたらの方がいろいろ課題があるんじゃないの?ラッシュアワーとか、セクハラとか・・・」

っていう風に思っているかもしれない。

村の中を探索しているとさすがにマレーシアの学生は、アボリジニでなくても、その地の自然のことをよく知っていた。

「あれがマンゴーです。あちらはコーヒーです。」

聞いてもないのに、いろいろ教えてくれた。

「ああ、ハネさん、これですこれ。これがドリアンです。」

おお、これがドリアン?野生のドリアンの木を見たの初めてだ。

あれ?

赤色のちょっと強そうなアリが群がっていた。甘い汁につられてきたのか・・・

そしたら首のあたりにチクっと痛みが走った。

「ああ、ハネさん、首にアリが・・・」

ええ?まじ?痛い痛い、とってとって・・・。

こういう時、あわてて叩き落とそうとしたりすると、牙が皮膚に残ったりして、余計に害をこうむることがある。

そこで、近くにいる人にそっととってもらうことにした。

ふーっ。

とれた。

結構、痛かった。

するとローカルの人。

「大丈夫です。このアリは毒は少ししかありません。」

少しあんのかよ・・・・。

虫に刺されたりかまれたりすることと戦わなければならないというのが、アボリジニらしい。

うん、いい!

これだよこれ。これでこそ、アボリジニの村に来たと言える。

でも虫刺され、後でぐぐっとはれる時があるから、それだけ心配。

そして思った。

~そうだ!どうすればアリにかまれなくなるのかを、この村の課題解決にしたらいいんじゃないか?~

なんか一回噛まれると、足元でさえも気にするようになった。靴の上にはみあがってこないかって・・・。

すると地べたになんか赤い実が転がっていることに気付いた。

あ、これはあの・・・えっと、名前なんだっけ。

「ランブータンです。」

そうそう、ランブータン。

地上にランブータンがぽつっぽつっと落ちている。ということはと、もしやと、頭上を

振り返ってみると、やっぱり!

ランブータンが鈴なりになっていた。

すげえ!ドリアンの木も初めてみたけど、ランブータンの木も初めて。しかも今度は実がなってる。

そしたら当然食べたくなる。落ちているのを少しだけ、頂いて見ることにした。

皮をむくと、同じみの白い実がプルーンとでてきた。

恐る恐る口に含む。大丈夫だよね・・・。

「うまーい!!」

日本で食べるランブータンは固くて、味に奥行がない。

それがこれはどうだろう?このとれたてのマンゴスチンの美味しいこと美味しいこと・・・。

いや、とれたてというより、「落ちたて」だけど・・・。

僕はランブータンに謝らなければならない。まだまだ僕の知らないことはいっぱいある。

幸せだ。

アリのことなんかすっかり忘れてしまった。後ではれたらはれたでいいや。どうにでもなれ。

僕はこういう感じで、結構、ハプニングを楽しむ。

課題はある。いつまでもある。だったら楽しんだ方がいいし、逆に活用しちゃったほうがいい。

そういうのを楽しんでいると、ますます、アボリジニの課題がわからなくなってきた。

人間万事アボリジニのアリである。

「羽根さん、羽根さん、みてください。鶏が交尾してますよ。すごい!」

と声をあらげるうちの若手スタッフの上田君。

目の前では、鶏がコケコッコとえらく激しく走り回っていた。

そうか、鶏の交尾も見たことないのか・・・。

その周りをこの村の子供達が生まれたての子猫をもって走り回っていた。

ますますアボリジニの課題と幸せは、奥が深いなーと思った。

注)鶏のプライバシーに関わるので、この後の行為の写真はアップいたしかねますので、ご了承ください。代わりに子供達と猫のかわいらしい写真をお楽しみください。

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