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訪日客向けの体験型ショーをプロデュース!


■三週間の成果

首相公邸での晩餐会参加の熱もまだ冷めぬうちに大阪へ。

インバウンド向け、つまりは外国人向けのショーの総合プロデューサーをおおせつかったからだ。今日はなんとそのお披露目の日とあいなった。

しかし、僕がそれをやるとお引き受けしたのはなんと三週間前。えっ?って思いますよね。僕も思いました・笑。

まあ、そんなことがあるから、人生は面白いのだけれども・・・。

それでも3週間は短い。当然、準備不足も甚だしい。巨神兵のまま見せるのはとっても恥ずかしいのだが、絶対に12月中にお披露目会をやっておきたいという堀さんというクレージーな事業家の熱意に押されて、これをお引き受けした。

でも人間ってすごい。わずか3週間でも、このぐらいはできるんですねっていうものをみんなが作り上げてきた。

入り口には甲冑が置かれている。これだけでも絵になりますねー。

お部屋ではこんな妖艶なお姉さんが待ってます。当然、覗きに行きたくなりますよねー・笑。 こういう思わず写真をとりたくなるスポットとっても重要!インバウンドでは特に!!!

でっかいマグロをその場で解体!日本人でもなかなかマグロの解体するところは見られない。これを月から金まで毎日やってしまおうという計画。

Japanese Traditional Monkey Show日本の伝統芸といえばこれ。 お猿さんがライブで登場!ギャラは餌!

とにかく写真!記録に残したくなる体験をできるだけ多く準備すること。

場所はここ、関西人なら誰でもしってる味園(みその)。昭和期に多いにはやった巨大宴会&キャバレー施設。

こんなにでかい。ある意味体育館。東京を朝6時に出て着いたのは10時前。

入り口はこんなかんじ!雰囲気あるでしょ?ここから導線をつむいでいきたい。そう、ここからいろいろ演出ができるっていうこと。 こういう「昭和期の遺産」をうまく使えば、お金をかけずにまだまだ色んな演出ができるところが日本にはあるのだ。

「おはようございまーす!」 館内にはいるとみんなもう忙しく準備に入っていた。

早速、中立 公平さんが全員に今日の流れを伝達。 中立さんはこのイベントを僕といっしょに作り上げるプロデューサー。そう今回は、二人で共同プロデューサーという形れこれを引き受けた。 しかし、これがなかなかうまくはまっている。

僕はコンセプトやインパクトのある仕掛けを企画する。今回の「客が能動的に参加するショーにしよう」というのは言うまでもなく僕のアイデア。 いやもちろん、ただ単にアクティブラーニングだからそうだといった単純なものではない。 ショービジネスも、インターネットといっしょで、「見せる」ものから「体験させる」ものに切り替わっていく。そういう確信があるから、そこを目指そうと高らかに宣言したのだ。 どんなにかっこいいホームページを見せても、毎日毎日見には来てくれない。それよりも、フェイスブックやラインの方がみんな毎日のように使ってくれる。

それは主役が「自分」だからだ。 ショービジネスもきっとそちらに向かうはず、というのが僕の確信にも近い予測。

しかし、それを実現するのは容易ではない。様々な演出、方法論を新しく作り上げていかなければならない。

 

そこを見事にサポートしてくれるのが中立さん。彼はプロの劇団演出家で、自分でも劇団をもっている。世界中のインタラクティブなショーを日本に誘致してきたという経験からも、彼とパートナーシップを組めることはありがたき幸せ。

ある意味、僕の「論理的な方法論」に対して、「魂」を与えてくれるのが彼の役割ということになる。 僕のアイデアを形にするために、舞台照明や音響などの演出を短期間で考えてくださった。 この数週間、僕もすごく忙しくて、ウエブだけでのやりとりだったんだけど、中立さんは見事にこれを理解し、組み立ててくれた。

素晴らしいパートナーだ。 言葉を変えると、今はどこに住んでいても仕事はできるということ。良い時代になったとつくづく思う。

猿回し、着物を着て歩くモデルさん(当然かわいい)、チャンバラ、忍者、ダンスと、今日、初めて会う人たちばっかり。彼らの実力も何も知らない。でもみんなで一生懸命集めてきた。 みんな当然、「今日はどんな流れになるんだろう?」と不安そう。

だいたい新しいことを始める時にはこんな感じになる。プロデューサーの役目の一つは、「大丈夫だ!」っていうことを高らかに宣言すること。 そう、心配しないで。大丈夫!こんな目的地を目指してこれから航海にでるんだ。向こうにはこんな素晴らしい世界があるからいっしょに頑張ろう! これをみんなに伝え、やる気にさせる。それがプロデューサーの大切な仕事なのだ。 たとえ、それがはりぼての沈みそうな船にのっていたとしてもだ。はりぼての船でもみんながしっかりと作り込んでいけば、次第に強い船に生まれ変わっていく。これまでもなんどもそういう体験をしてきた。

猿も直立不動で聞いてくれた。 お猿さん!わかってるじゃん! 「あ、猿に目を合わせないでください。挑発してるって思われるので・・・」 あ、そうなの・・・すみません・・・笑。

場所はここ!ひろーい。しっかりいれれば、500近く入るという。

さあ、お客さんが並び始めた。いやー、来るねー。

座席に座ったお客さんに、いろんな小道具をあげて楽しんでもらおうという作戦。 これを誰が考えたのかも僕は知らない。関係するみんながいろんな知恵を絞って、当日、どんどんそれを出していった。 それはいいことだと思う。 何がうまくいくかなんて完全にはわからない。だったら考えられることはどんどんやったほうがいい。

ぎっしりお客さんが入ってきた。大阪の観光関係者が200名。全部プロだっていうのが恐ろしい。 このショーがうまくいけば客を連れてきてくれるし、しょぼいと思ったら当然連れてきてくれない。 それがプロだ。

大阪観光局長のご挨拶観光局長が熱い!ってかちょっと暑苦しい・笑。大阪がどうもりあがっていくべきかを熱弁してくださった。

そしてショーの開始! 「みその」という名前の架空のおばあちゃんが観客に指示を与えていく。 これも僕のアイデアなんだけど、中立さんが見事に、しかもこちらはわずか1週間で映像化してくださった。さすがだなー。これがプロってもんだよ。 映像の撮り方、音声の作り方もしっかりと作り込んでる。やるなー。いい仲間がいるといい仕事ができる。

そしてマグロの解体ショーの始まり!当然、みんな写真をとりに来る。

これが外国人ならもっと大騒ぎになるに違いない。

Tuna Show・マグロ解体ショーこちらがマグロの解体ショー!早速中国の旅行会社の女性がこれを中国の人気サイトにライブ中継。なんとこれが今日だけで10万人みてくれたという。すごいな、中国の人の数・・・。

観光局長・解体したてのマグロを素手で食べる!この人、観光局長。なんで大阪にいるとこんなキャラの人が現れるんやろう。またどうしてこれで許されるんやろう・・・笑。 やっぱ大阪はこのテイストをどんどんショーに入れていきたいなー。来た人が、この局長みたいにニコニコして笑って帰っていけたら最高やと思う。

そしてショーの開始!お猿さんがまずは場を温める。まあそれは盛り上がりますよ。猿だもの・・・。

Jamping Monkey 猿の身体能力ってやっぱすごい。

そして殺陣、忍者ショーと続く。

ストリート・ダンスこちらは一気に若返ってのモダンダンスショー。 あえて現代風に!つまり日本だからって、古い日本だけではなく、最新の日本も見せておきたい。古い日本とモダンな日本。両方みてこそわかることがあると思うのです。

そしてここからが本番。舞台に上がってもらう人を指名。お互いに戦うぞっていうのをみんなの前で宣言!

トレーニングタイムわずか30分のトレーニングタイムで舞台にあがるという緊張感。先生方の指導にも熱が入る。 一番右側のおじさんに注目。この人が大穴、後で舞台を多いに盛り上げてくれた。

舞台に上がりたくない人のために、会場には10を超える体験コーナーを準備。テーブルマジック、食堂のサンプル作り体験(あのレストランとかでショーウィンドーにおいてるやつ)とか、いろんなものをとにかくおいてみた。 普通はそういうとき、ティストを揃えて世界観を作り上げた方がいいんだけど、大阪だとこのごっちゃに感が許されるところがある。 これが吉と出るか凶と出るか・・・。

コスプレコーナーはやっぱり人気!ここでも写真をとりたくなる、がポイント!

観光客って疲れますよね。ってわけでマッサージコーナーも。 これ、僕が客なら絶対やっちゃうな・・・笑。 子供さんなんかときて、子供は舞台にあがるまでトレーニングってなって、奥さんが小物作り体験・・・とかやってたらか、「お父さんはちょっとマッージとかしておくね」っていう人、絶対出てくると思う。 個人的に、この出し物はすごく好き♪

そしてファイナルショーが始まった。 こんな舞台で演技したことってみんなないですよね。本番では300人、400人の前で踊ったり、歌ったりできるんです。

ファイナルショー・素人が舞台に!

前の二人は先生!後ろは素人! それでもなんとか決めてくれた。予想通りだ。

一番面白かったのは、このあと、一番左側のとうちゃんががんばってくれたこと! その映像がないのが残念。もう会場大爆笑をとってくれた。 そう素人は、うまく使うと強烈なエンターティメントになるのだ。さんまや所さんがそれをうまくやっている。それをどうやって毎回、ショーに発生させられかどうかがポイント。 当然、このお父さんは偶然、舞台にあがってきたのではない。僕が司会をしながら見つけて舞台にあげたのだ。

司会を長年やっていると、どういう人がどういう反応をするかを予測することができる。 しかしこのショーの司会は僕ではない。そういうことができる若手の司会をこれから育てていかなければならないのだ。 そこに難しさと面白さがある。

でも終わってからの外国人のうれしそうなこと!忍者担って舞台にあがったカリフォルニア人とジャマイカ人は「最高だった!」といってくれた。 そりゃあそうだろう。もし、スペインにいって、闘牛士やフラメンコ体験ができたらどうだろう?しかも数百人の前で・・・。 一生の思い出になるとおもうんですよ。

ただ見るだけのショーはいつか忘れる。 自分が舞台にあがったことは一生忘れない。

そして4時間にもわたるショーが終わった。 これはちょっと長かった・・・。オペレーションがまだまできあがっていないので課題点ばっかり。いろんな場面で待たせてしまった今日きてくださった皆さん、本当にすみませんでした。 甲冑を片付けながらいろいろ反省。

 

■プロの「あほ」による仕事

左が主催者の堀さん。右は中立さん。なんで二人とも電話してるかというと忙しい人達だから。ひっきりなしに電話がかかってくる。

堀さんは大阪では有名な事業家。大阪でインバウンド向けの観光バス、観光船を次々に立ち上げた。 いろんな規制やしがらみを全く気にしない。根っからの起業家。今回も絶対12月にこれをお披露目して、2月につなげるんやといいきってくれたので、僕らもそれならやりましょう、と意識を一つにあわせることができた。

今日はショーとしての出来は、正直、100点満点の20点ぐらいだと思う。ほんとにダメ。ただの寄せ集めにしかすぎておらず、本来伝えたかった「能動体験」の面白さは全く伝えられていない。 本当にショーとしてはまだまだだった。でもそれは予想通りのこと。でもそれを恐れずあえてやったことで、見えなかったものが見えてきた。同時に、ああ、これはいけるぞっていう手応えも感じとることができた。

これを修正するだけで、次回はまず10倍、いや、20倍ぐらいいいものができあがる。 本当は今回、知り合いだけを集めてやればよかったのだが、いきなり観光局長や大阪の観光界関係者を片っ端から集めてきた堀さんのキモもすごい。 いやある意味、それを受けた僕と中立さんもすごい・笑。

「もうこれで僕は逃げられなくなった。絶対成功させんとあかんのですよ。みんなにやるっていいきったんで・・・。もう早速、今日きてくれた知り合いから、ここはいい、ここが悪いっていっぱいきてますわ。それを受けて、絶対に成功させる!そのつもりえでやりますので、羽根さん、どうか途中で逃げださんといてください。」 あついなー、大阪人。

「結局、プロ同士が組まないとあかんと思うんですよ。プロが組んで、プロが今までにないことをしっかりやれば、ええものが作れる。羽根さんのアイデアも今日の司会もプロですやん。中立さんの演出もそう。プロですやん。僕らがそれをまたしっかりと売り込んでいく。そしたらええもんができんはずはないと思うんですよ。」 あついあつい、大阪あつい!

でも、本当にそうだと思う。実際、このプロジェクトには巨大な金はかかっていない。 もし味園のような場所を自分で作ったり、これを借りるとなると相当なお金がかかる。僕らは全員、手弁当であるものをもちよってこの企画に取り組んでいる。

だから人件費のようなものを除けば、ほとんどお金はかかっていない。 新しいことを始めるとき、必要なのは、莫大な資金ではなく、仕事ができる仲間と、みんながリスクをしょって、前に進もうという勇気だけ。

そんな起業家が集まれば、絶対に面白いことができる。 大阪はそれをやるにとってもふさわしい場所だと思う。 だって、東京ではなかなかいないクレージーな人が多いから・・・笑。 これを大阪では「あほ」という。 僕らは三人とも、間違いなく「あほ」だと思う。そう、プロのあほなのだ。

「羽根さん、ここでもいろいろやりたいと思うてるんですよ。ぜひ知恵をお貸しください。」 なんと、今日一つ始めたばっかりなのに、早速、次の箱の話も・・・。やるな大阪人・笑! 確かにこれはすごく面白そうな場所。でもわかる。おそらく、昔作ったものを昔ながらのやり方でしか扱っていないので、時代の変化とともに、価値が薄れてしまっているものが日本中にある。 日本中の、旧世代の遺産、隠された宝物をどう、現代に再生できるかが問われているのだ。

「ここもね、いろいろできるんですよ。実は・・・・」 へー、これもすごいな。こんな箱をもし使えるとしたら・・・。 いろいろアイデアが浮かぶ。 そしていろんな課題もまた見えてくる。 一つ動き始めると次々にいろんなものが舞い込んでくる。 全部に手を出すのがいいわけではない。しかし、その中から将来、大化けする宝の素材を見つけられるかどうかは、起業家に求められる資質だと思う。

それではどうもお疲れ様!この大阪をもりあげていきましょう!! みんないい笑顔!伊勢もクリエィティブ・ディレクターとして今後参戦してもらう予定! どうも美味しいものが食べられるのが嬉しいらしい♪

道頓堀の活気

そして道頓堀を歩いてみた。

道頓堀まじですごい。ものすごい人がいるんだけど、ほとんど外国人。 「薬屋にいって胃腸薬くれって言ったら、通じなかったんですよ。レジやってるのも外人なんで・・・。胃腸薬が通じへん薬屋ってここはどこやねんって感じですよ。」 と堀さん。実際、僕もある店のレジにいったら外国人だった。

30年前、大学生のときに、この道頓堀の吉野家でアルバイトをしていた。あの時に見えていた景色と全く違う景色がここにある。

30年ぶりにここに帰ってきて、世界中から集まってきた人を相手に仕事をさせてもらうとは・・・。当時、実は外国人を相手に日本語を教えるアルバイトもこのミナミでやっていた。因果なものである。 しかし、もしこれだけの人たちを惹きつけられるショーを始めることができたら、これはすごいビジネスになる。

大阪で、また新しい歴史が始まろうとしている。 大阪の発展にほんの少しでも僕らが作り上げたものが貢献できるとしたらこんな嬉しいことはない。 今日のショーの出来栄えは20点。いつかお客さんから、「今日のショーは120点!」といってもらえる日が来るまでがんばってみたい。 明日からはアメリカとメキシコ!ショーをいっぱい見てきます。

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