• Hane Takuya

偶然を必然に変える人たち


■急遽決まったセミナー

(沖縄県・興南高校でのアクティブラーニング・セミナー)

成果をあげている人から、「自分は運が良かった。いろんなラッキーなことが重なって、こういう結果を導くことができた。」といった言葉をよく聞く。

たいした成果はまだあげていないが、僕もまた自分なりに成果をあげたと思える場合に、同じような感想を持つことがある。

しかし、そうした「運」は、偶然の部分と同時に、本人や関係者の努力によって、必然的に引き寄せられた成果であると思える場合があるんじゃないかと、最近、強く思う。

今回の沖縄でもそうした「思い」を強めることができた。

先週の火曜のことだった。

「沖縄にいらっしゃるんですよね。せっかくですからセミナーをしていただけませんか?」

古い仲間からのお願いだった。あ、そうなの?じゃあ、皆さんに楽しんで頂けるのならやりましょうか?ということで、セミナー実施を決定。

でも現地でそんなに時間が空いているわけでもない。スケジュールを確認すると、金曜の夜がベストだった。

移動しながらさっとカレンダーを見たので、それが三日後のことだと気付いていなかった。一般的に、セミナーを実施する場合、三日で人を集めるのはなかなか難しい。

沖縄の関係者は、せっかく羽根さんがやってくれるんだからと、その厳しい日程での実施を受け入れてくれた。

決めるのは簡単だが、いろんな準備をしなければならない。例えば、セミナーの場所どり。

3日後のセミナーの場所を、そんなに都合よくとれるとれるわけではない。

しかし、地元の高校の門林先生が動いてくださった。

(本セミナーで、主催者として冒頭挨拶をする門林先生)

実は最近、僕の後輩だと言うことが分かったナイスガイだ。なんか面白いことに関わりたいと、有名人から高校生にメッセージを集めて、高校生主動で出版をさせたりと、いろいろ面白いことに首をつっこんでいる。

こんな若いやる気のある先生が、先輩の僕が来るということで、さっと頑張って自分のいる学校に働きかけてくださった。

●15歳へのバトン・門林先生のプロジェクト

http://miraifund.org/blog/wp-content/uploads/2013/06/fryer_15sai.pdf

教育現場というのは固い。

だから、たとえ自分が所属する学校であっても、今日決めて三日後に使わせてくれといって使えるものではない。

しかし、僕は「偶然」、その学校で2年前に学生さんに指導させていただいたことがあった。

後で聞いたのだが、「ああ、あの時の羽根先生ね。」と、話は早かったのだそうだ。

職員会議でイベントのことが報告され、許可が下りた。それでも二日かかった。つまり、場所が決まったのは木曜。つまりはイベントの前日。

そこから一気に集客を開始。

面白い助っ人が現れた。

数週間前に、僕にどうしても会いたいとメッセージを送ってきた宮古島出身の下地さん。

沖縄の教育を変えたいので、是非、会ってくれないかと僕にメッセージを送ってきた若い塾長さん。

時々、そういう「やる気」のある人から、突然の連絡、依頼が入る。

この手の人は、思考よりも行動が先に出るタイプ。だったらこういう緊急性の高いイベントでの集客にぴったりだった。

集客を依頼したところ、快く引き受けてくださった。

集客は、だめもとで当たらないと人は集まらない。

考えるよりもまずは行動。足が動くタイプの人が集(=営業)に向く。

そもそもこのイベントを企画してくれた沖縄の東浜君も、学生の時に「日本の教育を変えたいから会ってくれ」と言ってきた人。

DNAはいっしょだ。二人で協力して、広報活動に入った。

(左:今回のセミナーをやろうと決めた張本人、東浜さん、右:塾長をやってる下地さん・宮古島出身。この二人が動かなければ今回のセミナーは成立しなかった。)

下地さんは早速、思考よりも先に行動が前に出た。

チラシを作り、小学校や中学校に直接訪問。明日、アクティブラーニングのパイオニアが来るからセミナーに来ませんか?と説いて回ったと言う。

いきなり学校にやってきて、セミナーに出ないかと押し売りされたら、僕だったら行かないなと思う・笑。

でも、だめもとで情報を投げることもまた大切。

実際、下地君経由で、10名以上の人が集まってくれた。

もちろん、あたって砕けろだけでは、効率が悪い。

今回は、後ろでこの動きを見ながら的確なアドバイスをしてくださっている沖縄経済界の重鎮も広報に動いてくださった。

この人とつながったのも、件の東浜君のお蔭。

彼もまた、この3年間の僕の沖縄での動きをみて、すぐに動いてくださった。

羽根が来るのであれば、これは動かなければと・・・。

沖縄のキーパーソンに一斉メールが配信された。

こうしたいくつかの「意図的な」むちゃな努力により、1時間ごとに、10名、20名、30名とどんどん申込者が増えていった。

そして最終的には、セミナー開始前にあえなく申込受付を中止。実際に、その後もまだ申込が入り、多くの方の入室をお断りすることとなった。

木曜から始まった集客なのに、一晩で100名を超える申し込みがあったのだ。結果、70名入る部屋に、90名の満員でセミナーを実施することができたのだった。

やればできるのである。

イベントは大成功で、参加してくださった教育関係者の皆さん、そして公的機関の皆さんなどから、素晴らしいセミナーーだったとお褒めの言葉を頂いた。

会場は一体となり、多くの人がその余韻に浸りながら、是非、アクティブラーニングを沖縄で広げよう、地域創生に力を入れようと思ってくださった。

今回の内容は、いつものアクティブラーニングに、我々が最近力をいれている地域創生の成果もご報告させて頂いた。

いずれも「能動性の喚起」がキーワード。

能動性を喚起するための具体的な方法論と、実際の成果(地域創生のプロジェクトで、地方公的機関などでの実際の成果をご紹介した)に、多くの人が、共感し、是非、これらの仕組みを沖縄に広げていきたいと思ってくださった。

■親睦会で知ったこと

セミナーを終え、親睦会になった。

裏方として頑張ってくださった方々と共にねぎらいの声をかけあった。

「いやー、羽根さんから音声メッセージが来て、職場でそんなの読めないよって思ったんです。」

そう、東浜君から、セミナーの内容とタイトルを送ってくれ、と言われた。この時、僕は飛行機に乗る直前で、あわただしく、空港を歩いていた。

歩きながらメッセージをタイプできないし、相当な情報量があったので、音声メッセージでこれを送った。

飛行機にのると2,3時間、連絡がとれなくなる。その前に指示をだしておくと、その2,3時間の間に、次のステップに動かすことができるはずとふみ、音声を聞いてもらう手間を承知で音声メッセージを送りつけたのだ。

そして飛行機に乗り込んだ。座席について、メッセージを確認すると、音声メッセージだから職場では読めない、家に帰ってから読みますと返事がかえってきた。

それでは6時間遅れる。その6時間の間に、もし、別の人に情報をパスし、動ける人が動けば、別の結果を導ける可能性がある。だから、とりあえず、トイレに行ってこっそりと内容だけでも確認しておいて、と無理を承知でお願いしておいた。

そのお願いをメッセージで送ると同時に、僕をのせた飛行機は滑走路を飛び立った。

沖縄の東浜君は、そのメッセージを読んで(この部分はテキストメッセージ)、しょうがないなとまっすぐトイレに「休憩」に向かってくれた。

イヤフォンで音声を聞き取ると、タイトルを確認し、かつ、僕の指示に従った動きをとってくれたと言う。

その情報は、すぐにその時間に動ける人に回され、そこからどんどん次のボールが蹴り出されていった。

そう、自分が動けない時は、動ける人にボールを投げ込むことが大切だ。

必要情報が届いた件の高校の若い先生が、このおかげで、すぐに場所どりのための根回しに入ることができたと言う。

しかし、学校でもドラマがあった。

「実は、学校にお願いをするとき、3日後のセミナーをやらせてと言うのは、ちょっと難しいなって思ったんです。そこで校長に話を持っていくとき、『校長、前にお願いしてましたよね、あのセミナーがあさってあります。』と持っていったんです。そうすると、校長が、あ、あれねってOKしてくださったんです・笑。OKをもらったらその足で教頭のところに行きました。校長はOKしてくれてますが、大丈夫ですよねって・・・。当然、教頭もOKです。お二人からOKがでたので、職員会議では、『校長先生と教頭先生にはご許可頂いてますが・・・』と持っていき、スムーズに皆様からご許可頂きました。あ、もちろん、羽根さんが、以前、うちの学生に教えてくださったことがあるというのも、とっても大きな理由だと思います。あれがなければもっと厳しかったと思います。」

みんな素晴らしい動きをあちこちでしてくれていたのだ。

(興南高校の校長先生。高校野球の監督でもあり、沖縄では知らない人がいない名監督)

一見、門林先生は無茶をしているようにも見えるが、僕は細かい指示は何もだしていない。関わっている一人一人が、自分の前に立ちふさがる障害に、能動的かつ、非日常的なやり方で立ち向かってくれたのだ。

実際、興南高校の校長先生も、わざわざ講演の場に出向いてくださり、冒頭の挨拶までしてくださった。 門林さんの手の内なんか全部見抜いていますよといった感じの、器を感じられる素晴らしい先生だった。 興南高校は野球の名門で、沖縄では知らない人はいないといった名監督&校長。今年、注目されたオコエ選手とも真っ向勝負を行い、名試合をやってくれた。

人を育てる教育で、野球を強くしたとお話していらっしゃったが、この先生の元なら、学生も若い先生も本当に育つだろうなと思った。

■成功の陰にはいつも

この春、Slushという世界的なイベントを東京で行った。

その時も、今回のセミナーと同じようなことを体験した。

日本で、スタートアップイベントを行って、世界から注目してもらい、日本の若者に大きな刺激を与えたい。フィンランドのようなレーザービームが飛び交う、かっこよい空間を作りたい。

目標に皆が共感しあい、参加するメンバーが次々に増えていった。そして誰もが自主的にやるべきこと、やれることを回してくれた。

トップリーダーなどいなかった。皆が、自分でできることをやってくれた。

皆でサッカーをしている感じだった。しかも一つではなく、複数のボールが次々にパスされている複雑なサッカー。誰もが自分で考え、自分で良かれと思うことをしてくれた。

ある臨界点を超える頃から、プロジェクトがどんどん回るようになってきた。

動かなかったものがどんどん動き始めたのだ。

そしてわずか12週間で、3千人を集めるイベントを成功させることができた。

ここでも「能動的主体者」が力を合わせ、山を動かすことに成功した。

理想的ではあるが、なかなか実現が難しいことがある。

そういう時に必要なのは、こうした「影のアクティブラーナー」である。

こうした人達が、動き始めると、一見、偶然が重なって山が動き始めたように見える。

実は、彼らは、あきらめずにいろいろな角度からパスを蹴り続けており、そのうちの一つが、驚くべき角度から、見事に山を動かすきっかけをつくりだしているだけなのだ。

つまり、これは偶然ではない。必然なのだ。

難しいことがあっても、自分で問題解決をして、動いてくれるアクティブラーナー。

こうした人達のあくなき挑戦魂こそが、世の中を動かす原動力となっているのだと思う。

全てのスケジュールを終え、沖縄最後の夜、昔の仲間が集まってくれた。彼らは学生の時、ジコピーという就活団体に入り、僕らといっしょに様々な奇跡をおこしてくれた仲間達。

1200名を超える大きなイベントを沖縄で開催してくれたのも彼らだった。

「羽根さん、偶然ですが、今、我々が飲んでいるこの場所で、10年前にその1200名のイベントをやった夜に、打ち上げをしたんですよ。覚えてますか?」

へー、なんという偶然。誰もそのことを意識したわけではなく、偶然、そのことを知らない人がここを予約したんだと言う。

あの時の1200名のイベントもとっても大変だった。でも彼らが不可能を可能にしてくれた。

僕の周りにはアクティブラーナーがいる。

それが僕にとっての一番の宝物なんだと最近、つくづく思う。

だからまた明日もまたボールを蹴り出すことができるんだと思う。

頑張りましょうね(沖縄風に)!

(今回のセミナーの立役者と沖縄ジコピーの創立メンバーらと)

注)Slush

フィンランドで生まれたIT系スタートアップイベント。2015年春、東京で開催。僕もこの立ち上げに関わり、3000名の集客に成功した。

●Slush Asiaにかける思い・フォーブス

http://forbesjapan.com/articles/detail/3664

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