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日本の会社で働きたくありません。


■きっかけはある一言

「日本の企業ってつまんないです。もう日本に来るのはやめようと思います。」

何年か前に、日本にインターンにやってきた、ハーバード大学の学生から聞いた言葉だ。これはあかんと思った。やる気があり、企画力もある世界のトップレベルの学生を活かすことができない日本の企業・・・。

これは一企業の問題ではない。日本という国にとっても良くない。日本に来ている時点で日本のファンなのに、日本を嫌いにして返してしまっている。

そもそも長く続いている企業だと、どうしてもインフラ的、固定的な仕事になってしまう。そこにいっても若い面白おかしいアイデアを活用する場もない。

だったら、これから新しいことを作ろうとしている、ベンチャー企業、最先端のことに取り組んで世界を変えようと思っている企業、そういうネクストジェネレーション(次世代)の企業に送り込んだ方が学生の満足度は高くなるんじゃないか?

そうしてできあがったのが、次世代企業と次世代学生をつなぐ「nexgen(ネクスジェン)」プロジェクトだ。

昨日はその発表会であった。ネクスト、ミスルト、カヤック、チームラボといった日本でも僕が面白いなーと思える企業さんにご協力を頂き、2週間の成果発表を行った。場所は、協賛企業のネクストさん本社。

これらの会社に、ハーバード、コロンビア、カーネギーメロンから集まった学生が2週間インターンを行い、ずらっと並んだ各社CEOの前で次々とプレゼンを繰り広げていった。

彼らの発表は本当にうまい。日本の学生も最近うまくなっているが、表情やジェスチャーなど、トータルでみるとアメリカのトップレベルの学生の方がはるかにうまい。見学をしていた日本の学生さんからも、「あんな風にプレゼンできるようになりたいです」という声があがっていた。いいことである。そういう刺激をうけてもらうことこそ、我々の目指すところであった。

また今回、面白かったのは、4社ともそれぞれの会社の社風にあった発表になっていたということだ。

面白法人カヤックの発表は、文字通りとっても面白く、笑が絶えないものとなっていた。チームラボさんは、彼らのカルチャー通り、地に足がついた実直な発表になっていた。

去年に比べ、発表がよりその会社のテイスト、カルチャーを表すものになっていたのは、とても意味のあることだと思った。

そうした発表に対して、CEO陣が臨機応変に時に厳しい意見、時に優しい褒め言葉をかけてくださった。有名な会社のCEOになるような人達は本当にコメントが面白い。短い時間に切り出されるコメントを聞くだけでも良い勉強になる。

今回は、発表会を公開性にして、100名近い学生に集まってもらった。テスト期間中であるのに、多くの学生が集まってくれた。

彼らにも「能動参加型」の課題を与えた。協賛企業であるネクスト社さんから、「全国の空家をどう活用するか?」といったお題を頂き、その場で割り振られたグループメンバーと対話する。

ネクスト、井上社長自らのご説明を受け、その場で作られたチームメンバーとわずか40分でアイデアをまとめ、CEOに提案をする。その中でよかった2チームのみが、実際にCEO陣の前でプレゼンするというものだ。

こちらも限られた時間の中、なかなか面白い企画が出てきた。ハーバード学生らにひけをとらないものもあった。

3時間があっという間に過ぎて行った。

外国人学生のMVPはカーネギーメロン大学のニック君のプレゼン。世界最高峰のコンピューター系の学習ができるこの大学で、プログラミングを学んでいるニック君は、この2週間の間にこのデモのためだけに、あっという間に、デモモックを作ってしまった。内容もVRあり、ドローンあり、AIありで、会場にいる人みんながそれ欲しいと思うものを提案してきた。

「プレゼンでも何でも、僕らが学生の頃より、みんなうまくなってきている。君らにはもっともっと可能性があると思う。そんなみんなをもっと応援していきたいなと思いました。」

と孫泰蔵さんも素敵な言葉を最後に全員に投げかけてくださった。泰蔵さんをはじめとするCEOの皆さんも、お忙しい中、わざわざ駆けつけてくださった。泰蔵さんにいたっては、わざわざ海外からこのために戻って下さったのだ。

CEOの皆さん、各社のスタッフの皆さんに心からお礼を述べたい。

 

さて、今年から、このネクスジェンはプラットフォーム化をしていく。1回きりのイベントではなく、ここに参加してくれた北米大学の学生と日本の学生をつないでいく壮大なプラットフォームを作り上げていくのだ。

ハーバードやコロンビアで活躍をする学生と、数百名のやる気のある日本人学生をつなげれば、きっと何か、ケミカルな反応が起きるはずだ。

「ハネサン、日本に来て本当に良かったです。素晴らしい体験をさせて頂きました。」

「日本にはまた来てみたい?」

「はい、実際、今、そのことを考えていました。来年、もう一度来てみたいなーって・・・。日本はそれぐらい魅力的な場所だと今回、よくわかりました。」

イベント終了後、ハーバード学生から、こんな言葉をもらった。

やっていることは間違っていなさそうだ。

もっと前に進もう。

●nexgen プロジェクト


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